3月25日 ひる
ファドに欠かせないギターラ(ポルトガルギター)奏者が、日本にも数人いる。
が、そのほとんどが関西人。
リスボンは坂の街、神戸も坂の街。
東京では、エスカレーターは、左立ちの右追い抜き、大阪では、右立ちの左追い抜き。
リスボンも、右立ちの左追い抜き。
だから、リスボンと関西は仲良し(?)
人気のチョコレートドリンクは「UCAL」って、これは関係ないか。
リスボン最大のコロンボ・ショッピングセンターに地下鉄で。
開店時間の10時を守る店、守らない店。いろいろ。
ここは、ポルトガル流儀。
「ヴォルトン(石丸電気みたいなの)」で、マリーザのCD(仕入れ過ぎたか半額)と、
アナ・モウラのDVD(安かったが、規格違いで日本では見れないことが帰国後判明)を買う。
その後は地下鉄、バス、市電を乗りまくり。
コテコテのジェロニモス修道院のそばにある、日本のハコモノのような
ベレン文化センターの前から乗ったバスが、嬉しい大誤算。
市内に向かわず左折、モンサント森林公園に突入した。
東京ドームの何倍かは、東京ドームの広さがわからないので、
いや、わかっていても、そんな安っぽい喩えを使うつもりは一生ない。
公園の中心部は、まるで軽井沢。
どっぷりと森林浴にあずかり、森を抜けてからは、どこを走っているのかまるでわからない。
お客も窓外も、まさにアラブの色に染まり、異国情緒たっぷり(異国だけど)。
あれれっ、目前に見えるのは、朝行ったコロンボ・ショッピングセンターじゃないか。
そして更に走り続けること30分(乗り放題はありがたい)。
どこかに着いた。
ここはどこだ。
近くのパステラリア(田舎のドトール)に入りコーヒーと水を注文。
地図を広げて「ここはどこ?」
ヒマそうにしていたオジさんたちが、急に元気づいて、
あーだこーだと教えてくれる。
これがうれしい。
市の北のはずれのようだ。
目前には、東京ドーム3個分の団地が立ち並んでいる。
知らない街は、よそよそしくも優しい。
オジさんたちは、青空将棋とトランプだ。
バス停の傍には白壁の教会、白いかこいに薄紫の藤。
「カーサ・ポルトゲーサ」の世界
ちょうどやって来たバスに乗った。
どこに行くのだろう。
知らないというのは、とても楽しい。
知らぬが仏、見ぬもの清し、氷川きよし、これでよし。