ちゃ太郎の足跡
気ままの日記
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ちゃ太郎の リスボン日記  2  2009.3.24

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3月24日 よる

アントニオがいた。
道のまん中で客引きしてる。
「カルドヴェルデ」は営業していた。
「ようっ」と言ったが、こいつ、オレを覚えていない。
1年半前「シャタ、シャタ」と抱き合ったオレを覚えていない。
この薄情者が。
中に入ると、懐かしいが何か変だ。
フロアーに、気さくなメキシコ女性ハニアがいない。
髭の店主は、オレを覚えていた。
客はふたり(たぶんドイツ人父娘だ。ポルトガルへの観光客の半分はドイツ人だから)
まだ、8時半。歌が始まるのは9時から。
カウンターの奥の目つきの鋭い女性(ドイツ人っぽい)が気になる。
誰だろう。店主の奥さんか?(ちょっと恐い雰囲気だ)
9時前なのに、歌が始まる。
「カルドヴェルデ」は、他の店に比べて歌の時間が多い。
うれしいが食事が進まない。(歌の時間は、食事をしないのがマナーだから)。
アントニオが、女性歌手を紹介した。
そこそこのお姉さまだが、声もいいしバツグンにうまい。
間をおいて、アントニオ。
相変わらずの堺正章モードで ホッとする。
歌っている時に、オレを思い出したみたいで合図を送ってきた。
インターバルのあと、ゲストらしい中年女性だ。
これもけっこうウマい。
ただ、ギターラのシウバがいないのは当然だが、
私にとって最高のファディスタ ビエダードも、美人でかわいいデボラも
水前寺清子風味のルルドスも、シャウトの達人おやじマジェルもいない。
(ヴィオラのペレイラは残っていた。ギターラは小柄でそつなくこなす人。)
なんとなく違和感があって、10時頃に店を出た。
アントニオが、日本語で「ありがと」と言ったが、
「シャタ」が思い出せないらしく、「アミーゴ」と少し申し訳なさそうに言った。

ホテルの部屋で、昼間バイシャ・シアード(六本木と銀座をミックスしたようなメインストリート)で買った、カーチャ・ゲレイロのCDを聞いた。
窓の外には、宮殿のような体育館がライトアップされ、
その上を、着陸する飛行機の光が通過した。